顔面神経麻痺について
顔面神経麻痺は、顔面の筋肉を動かす神経に麻痺が生じる病気です。
中枢性(脳から)のものと、末梢性のものに分けられ、中枢性は脳出血・脳梗塞・脳腫瘍などを原因で発症します。
一方で、末梢性のものは主にヘルペスウイルスの再活性化が原因です。割合では末梢性顔面神経麻痺が全体の90%以上を占めています。
主に耳鼻咽喉科で治療する末梢性顔面麻痺について説明したいと思います。
顔面神経とは
脳から側頭骨、耳の下を通り顔面の筋肉に張り巡らされる神経です
この通り道のどこか障害を生じたときに麻痺が起こります。
顔面神経は、顔面の神経を動かして表情を作る以外にも唾液や涙の分泌を即したり味覚を感じたりする役割もあります。
顔面神経麻痺の主な症状
額にしわを寄せることが出来ない、まぶたが閉じにくい、表情に左右差がある、うがいをすると水が漏れる、口をふくらますことが出来ないといった不都合が生じます。
また、めまい、難聴、味覚障害、涙目、唾液の分泌の減少が見られることがあります。
診断(末梢性顔面神経麻痺について)
耳介の皮疹や難聴・耳痛を伴う場合は、ハント症候群(耳介帯状疱疹)約30%
上記の症状がなく顔面の麻痺のみのものは、ベル麻痺 約70%です。
検査
- 代表的なのは、麻痺スコア <右表・(柳原法)>
- アブミ骨筋反射
- ENoG
- 神経興奮検査(NET)等があります。
治療
発症3日以内であれば、抗ウイルス剤+ステロイド剤、発症4日から7日以内であれば、ステロイド剤の内服。
麻痺は発症時には軽く、数日間は進行するが、完全麻痺(スコア8点以下)でなければ完治します。
また、7日以上経過し、スコアが8点以下の場合は減過手術を検討します。
リハビリテーシ
最近は病的共同運動や拘縮を増強させるため、専門の指導者によるカリキュラム実施が望ましいです。