スギ花粉症・ダニアレルギーの治療法
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。
主には、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。
期待できる効果
2年から3年間、正しく治療を継続すると、約8割の人がアレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。
主な副作用
- 口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感、異常感
- 唇の腫れ
- 喉(のど)の刺激感、不快感
- 耳のかゆみ
重大な副作用
- アナフィラキシ(非常にまれ)
アナフィラキシ
医薬品などに対する急性過敏反応で、多くは投与後30分以内に発症し、蕁麻疹、腹痛や嘔吐、息苦しさ、ショック症状がみられます。(新型コロナワクチン接種でよく話題になったと思います。)
舌下免疫療法の開始時期は?
舌下免疫療法はいつでも開始できるというわけではありません。
花粉の飛散時期にはアレルゲンに対する反応が過敏になっており、治療を開始するのには適していない時期です。
そのため花粉の飛んでいない時期に開始します。
具体的な時期は医師に相談した上で決めるとよいでしょう。
舌下免疫療法にかかる費用は?
保険料が3割負担であれば初回の診察で5,000円ほど、それ以降毎月の診察と薬代で2,000円ほどが目安です。
舌下免疫療法にかかる期間は?
舌下免疫療法は基本的には3年を目安として治療を行います。
舌下免疫療法に期待できる効果、いつからあらわれる?
年度で効果を感じられる方もいらっしゃいますが、数ヵ月後や2~3年後など効果が出るタイミングは人それぞれ、そのため、焦らずに治療を続けることが何よりも重要です。
治療を受けられない人もいる
- アレルゲン免疫療法の治療でアレルギー症状を引き起こしたことがある
- 気管支喘息がある
- 妊娠中または授乳中である
- 5歳未満の小児また、65歳以上の方
- 全身の重い病気がある人(悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、心蔵・血管系の重い病気、慢性感染症など)
- ステロイド薬、抗がん剤を使用している人
- 口腔内に傷、抜歯の予定のある人
- 薬の管理や治療内容にご理解を出来ない方。
まとめ
アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)を体質から改善して治療できるのが舌下免疫療法です。
ただし、治療が長期間だったり、副作用があったりといったデメリットもあり、ご自分のライフスタイルを鑑みて医師に相談されるのがよいでしょう。
参考ホームページ
鳥居薬品株式会社『トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』
※現在、当院も舌下免疫療法を開始できるよう準備をしております。